January 10, 2005

クワクボリョウタ

ITを駆使したアーティストとして今や日本を代表する存在となったクワクボ。
しかし、その作品はアナログチックであり、世代を超えて懐かしさと親しみやすさを感じさせるものがある。自身をデバイスアーチストと称するように、主に秋葉原の電気街で入手した電子部品によって、作られたその作品たちはハイビジョンの時代にあって点が大きく認識できるLED によるドットであったり、単純な電子音や振動によるインタラクティブなものである。
しかし、その部品たちが持つエレキの美しさと反応のおもしろさを絶妙にパッケージングした作品は、電気街から「おたく」の街になった秋葉原への郷愁そのままに、ローレゾリューションであるが故の美しさや温かさを持ついとしさを感じさせずにはいられないものになっている。
本展では、ファミコンやインベーダ時代の懐かしさを感じさせるインターフェイスでありながら、スタイリッシュなパッケージングとクワクボ独特の風刺に富んだ仕掛けで遊び手どうしのコミュニケーション親密モードが高まるゲーム性のある作品から選り抜きのものが展示される。

■ プロフィール
1971年生まれ。筑波大学大学院修士課程デザイン研究科総合造形修了、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)アートアンドラボ科卒業。代表作:Bitman、PLX、loopscape など。第7回文化庁メディア芸術祭アート部門大賞(04)、Prix Ars Electronica 02/03 インタラクティブ・アート部門連続入選のほか、世界各地の美術館やアートフェスティバルで多数する一方、他アーチストのサポート・エンジニアリングや、メーカーとの製品・オモチャ開発なども行う